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マーケット状況と今後の見通し【2023年8月】

マーケット状況と今後の見通し【2023年8月】

S&P500週足

こんにちは、cohamizuです。

8月は、S&P500は現状から▲3.4%下落した4325を試す展開を想定しています。

4325の水準は、2022年8月の戻り高値ですので妥当な水準ではないでしょうか。

というのはアメリカの企業群は急ピッチの利上げを受けてリストラ策で利益を確保してきましたが持続的な成長エンジンが不在な状態です。

PERでもS&P500は22倍でかなり割高になっており、健全な調整が必要になります。

株価は「株価=EPS×PER」で計算されるため、全体のEPSが低下している中で株価だけいつまでも上昇することはありえないと思います。

アノマリーでも例年株式市場は8月から調子がおかしくなり9月に大きく下落することから、今は買いから入るべきではないでしょう。

また急ピッチで上昇してきた金利が雇用統計を契機に反落しています。

明らかに割高な株式よりは確実に4%の金利が確保できる債券に資金を移したほうがメリットが大きいと市場は判断したと考えられます。

これからは過度な金利上昇期待(株式の期待利益)が後退し債券が買われて金利が低下するでしょう。

したがって今から投資すべきなのは、GOLD(金)・SILVER(銀)に連動したETFまたは、CFDによるロングポジションです。

Fear and Greed指数も極度の貪欲から一歩後退

Fear & Greed Indexは、株式市場の行動の何らかの側面を測定する7つの異なる指標をまとめたもので市場の過熱感を示しています。

fear and greed
引用:Fear & Greed Index

新規投資する場合は、リスク回避でFear(恐怖)方向に振れている時を狙うべきです。

直近なら2月~3月、昨年なら9月~10月にかけてFear & Greed Indexは「EXTREME Fear(極度の恐怖)」に振れており、このときが投資の好機であったことは云うまでもないと思います。

つい1週間前まで逆の「EXTREME Greed(極度の貪欲)」に振れており、相場は過熱感を示していましたが、株価指数の下落により「Greed(貪欲)」まで後退しています。

まだ新規投資をするタイミングではなく、十分調整するまでじっくり待つべきです。

イールドカーブは政策金利が維持できないことを示す。

金利は非常に重要でこのベースの上に株式市場・不動産市場がのっており、債券市場が安定しないとファンディング(資金調達)の面で齟齬が生じるため金利は要チェックです。

よく利上げ・利下げなどで話題になっているのは、FFレート(オーバーナイト金利)のことであり、市場で重要なのは米2年国債利回り・10年国債利回りです。

一口に金利といっても米2年国債利回りなら政策金利の見通しを示し、10年国債利回りなら経済見通しを示しています。

3Dイールドカーブ
3Dイールドカーブ

これらの各償還年数の利回りをつなぐイールドカーブの傾きを3Dで見ることで現状の投資環境を知ることができます。

一般的に手前から奥に向かってなだらかに上昇している順イールドの環境では、投資には適していますがこれが急速に手前が持ち上がっていく環境では投資には向きません。

現状は手前側がめくれ上がりすぎており、実体経済がついていけず高位のFFレートを維持できず急落するリスクがあります。

そのため特にドル円に関してロングは危険な領域に入っていると考えられます。

また前回のイールドカーブから10年国債利回りが上昇して中央部分が浮き上がっていることもわかると思います。

10年国債利回りは経済見通しを示しており、株式・商品とよく比較されます。

投資家は債券投資で確実な利回りを確保するほうが良いのか、リスクをとって株式やGOLD・原油に投資すべきなのか天秤にかけており、10年国債利回りが高くなっている状況は株式にとっては不利になります。

10年国債利回り
米10年国債利回り

現状の10年国債利回りは、良好なGDPとADP雇用統計で債券下落金利上昇が行き過ぎた状態になっており、雇用統計を契機にそれが一気に解消されています。

これ以降は高い利回りを確保する債券の買いが増加し、株式から資金は流出するものと判断できます。

8月の投資戦略

以上を踏まえて、8月は9月の急落の前段階となり、株価が騰がらない厳しい展開になりやすいです。
  • 株価指数が割高であること
  • 投資家のセンチメントが過熱気味
  • 上昇しすぎた長期金利の急落(米10年国債利回り)
つまり、株式投資はポジションは解消しむしろ空売りしても良い段階です。

アノマリーでも大統領選挙前年の7月~9月のパフォーマンスは、年初来からのハイパフォーマンスにくらべて冴えないものになる傾向です。

大統領選挙前年S&P500平均騰落率

できれば例年S&P500が軟調な8月~9月の調整期に向けて、十分下落して割安になった状態で狙った銘柄を買うべきでしょう。

具体的には、AIバブルの中心的な存在である「NVDA(エヌビディア)」、半導体製造装置メーカーである「8035:東京エレクトロン」などはこれからの成長が大いに見込めます。
長期金利の急落に対する戦略としては、ドル円ショート、GOLD(金)・SILVER(銀)などの貴金属への投資が3月~4月の局面と同じく投資パフォーマンスを向上させる戦略になります(7月は良好なGDPなど見込み違いで頓挫しています)。

インデックス投資などで全世界株式などの海外資産が多い方は、ドル円ショートを執行することで円高リスクに対する為替ヘッジと為替差益の両方を得ることができるでしょう。

ドル円週足
ドル円週足

ドル円は実質金利に連動しており、名目金利(10年国債利回り)の低下はシンプルにドル円に取って大きなマイナスです。

加えて、日銀のYCC修正によって日本の長期金利も上昇するため日米の金利差は縮小傾向です。

これまでの大幅な円安は、相当程度是正され、ドル円は127円まで下落するでしょう。

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