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マーケット状況と今後の見通し【2023年10月】

 マーケット状況と今後の見通し【2023年10月】

こんにちは、cohamizuです。

10月のS&P500は昨年10月から続く上昇トレンドラインをついに割り込みました。

このまま下落した場合のターゲットは天井圏で形成したシンメトリカルトライアングルから4143と設定しています。

ただ債券市場で異常な規模の米2年国債利回りのショート(債券価格下落・金利上昇を見込んだ取引)が積み上がっており、これがリスクオフによって下方向への急速な金利変動を引き起こす恐れがあります。

株式市場などのリスク資産は債券市場の上に乗っかっており、この土台が揺らぐとき資金調達の面で齟齬が生じてしまいます。

そのためリスク資産が投げ売りされ、想定した以上の下落になるリスクについてはよく注意したほうが良いでしょう。

よって底値を拾おうとする逆張りは危険で上昇トレンドを割り込んだ株価指数は空売りから入るべきです。

ではある程度の下落目処はないのか?といったところですが、フィボナッチリトレースメントでは50%押しとなる4050付近が一応の目安になってくるでしょう。

S&P500週足

通常上昇トレンドが強ければ38.2%押しで反発するため、1月下旬に記録している高値水準(4195)付近でサポートされます。

しかし上昇トレンドラインを割り込んだ状態でさらなる下落リスクに晒されているのに、これはかなり楽観的な見方になるため、悲観的な水準も覚悟しておいたほうが良いと思います。

そのためより弱い50%押しの水準4050がターゲットとして想定すべきです。

大統領選挙前年のアノマリーではS&P500は12月まで軟調

では例年S&P500は10月~11月にかけてどのようなパフォーマンスを記録しているか振り返ってみましょう。

大統領選挙前年アノマリー

今年は大統領選挙前年にあたります。

過去50年間の大統領選挙前年のデータでは、絶好調だった1月~6月の前半戦に比べて7月~11月はガックリとパフォーマンスが落ちていることがわかります。

そのためS&P500に対しては、高いパフォーマンスは期待できず、新規の投資は12月あたりまで待たなくてはならないと考えています。

Fear and Greed IndexはFear(恐怖)

Fear and Greed Index

Fear and Greed Indexは市場のセンチメントを示す指数で現在はFear(恐怖)ですので市場は弱気です。

ですが底値とまではいかず、現物株を買うのであればやはりEXTREME FEAR(極度の恐怖)まではじっくり待つべきです。

例えば2023年7月ではこの指数はEXTREME GREED(極度の貪欲)でした。
EXTREME GREED(極度の貪欲)という状態だと、そこが天井圏になりやすく7/27を境にS&P500は下落に転じ天井圏でシンメトリカルトライアングルを形成しています。

シンメトリカルトライアングル

このシンメトリカルトライアングルは、abcde波で構成され、下落トレンドのターゲットは二等辺三角形の最大幅をe地点から減じた数値になります。

今回の場合は、4143付近がターゲットと測定できています。

このように空売りを行うのであれば、市場のセンチメントがEXTREME GREED(極度の貪欲)のとき、買いから入りたいのであれば市場のセンチメントがEXTREME FEAR(極度の恐怖)のときが望ましいと思います。

そのため市場のセンチメントがFEAR程度であれば、さらに下値を模索するリスクは考えて置くべきです。

S&P500投機筋ネットポジション

S&P500投機筋ネットポジション

S&P500が上昇しているときには、空前の水準に達していた投機筋のショートポジションはかなり整理されニュートラルな水準に近づいています。

ショートポジションが多いと、投機筋が空売りをしているので市場は弱気なんだと考える方も多いのですが現実はその逆で、未決済のショートポジションは将来的に買い戻しを行うためショートポジションが増えるのは買い方にとっては朗報です。

一方で未決済のロングが増えている状態は、2021年あたりのグラフを見てわかるように将来の売り要因になるため買い方にとっては悲報となります。

ロングが激増している状態だとS&P500はさらなる下落に見舞われそうですが、現状損切りさせるロングポジションが少ないため酷い暴落相場を想定するには至っていません。

長短金利差は急激に逆イールド解消へ→株価暴落へ

3Dイールドカーブ

改めて債券・金利について説明すると、債券はお金を貸して利子を払って償還時に元本を返すという借金を証券化したものです。

米国債の場合なら貸した対象はアメリカ政府となります。

投資していれば現在なら5%前後の利子が払われて償還時にはほぼ確実に元本が戻ってくるので確実な投資先です。

この確実な資産運用先をベースにしてその上に株式・不動産などのリスク資産が乗っかっており、投資家は現状の利回りから安全確実な債券を選択するか、リスクを負ってより高いパフォーマンスを狙える株式に投資するのか常に天秤にかけています。

債券に投資したいと考えるときは、金利が上昇しているときは債券価格が下落しているときなので好んで投資しようとはしません。

ところが金利が天井を打って低下し始めると、投資家は高い利回りの状態の債券を買って確実な運用益を確保したいと考えます。

特に現在のS&P500の株価収益率は22倍ですので投資額から同額のリターンを確保できるまで約22年かかる計算です。

ところが5%の金利なら単利で20年程度、複利なら15年程度で投資額と同額のリターンを得ることができます。

つまり投資の中核と考えられている株式は現状では魅力が薄く、投資家に逐一ヒアリングすれば債券のほうが魅力があると答えるでしょう。

となると金利が天井を打てば、投資家は雪崩を打って株式から債券へ資金を移すと考えられます。

そして3Dイールドカーブを見ていただければわかるように、手前の米2年国債利回りがめくれ上がっていた状態が解消されて7年・10年国債利回りが持ち上がってイールドカーブがフラットな状態になっています。

長短金利差は景気後退を示唆

長短金利差

これまでインフレ抑制のために急ピッチで利上げしてきた影響で米2年国債利回りが急上昇し、逆に10年国債利回りが景気鈍化を懸念して上昇が鈍って利回りが逆転する逆イールドがこれまで発生していました。

上記の米2年国債利回りと10年国債利回りの差である長短金利差でもずっと0ラインを割ったマイナス状態でした。

しかしここにきて、長期金利が好調な米経済指標に支えられて持ち上がって行ったのに対して、米2年国債利回りの上昇は鈍く急激に長短金利差が縮小していました。

これは景気鈍化が読み込まれて、もうこれ以上政策金利をあげられないという見通しになったから、政策金利の見通しを示す米2年国債利回りの上昇が鈍ったのです。

さらにこれが両方とも下落しはじめ、特に米2年国債利回りの低下が激しいときは景気鈍化どころか景気後退が予測されるのでこの高い政策金利は維持できないという判断になっているということになります。

米2年国債利回りは急激に下落する

米2年国債利回り

そして米2年国債利回りは、まだ誤差の範囲ですが週末2営業日連続で続落しています。

しかも投機筋が異常な規模で米国2年債先物をショートしており(金利上昇・債券価格下落を狙ったポジション)、当然ながら米2年国債利回りが低下する過程では将来の買い戻しの予備軍になります。

しかもとてつもなく急激な金利低下につながると予想されます。

これは危険な兆候で、これまでの例では逆イールドが解消されるときに景気後退が発生し株価指数の大規模な暴落が発生しています。

ですので投資家は、昨年の成功体験から「大した下落には発展せずにちょっと我慢すればまた上昇するだろうという」安易な考えは持たずにリスクを回避する姿勢をとることをおすすめしたいです。

10月の投資戦略

リスク資産の土台になる債券市場に激震が走ると、もれなくリスク資産が一斉に投げ売りされます。

そのため昨年の10月から続いてきた上昇トレンドラインを割り込んだS&P500などの株価指数は売りから入るべきだと考えています。

また金融危機では非常に弱かったWTI原油の空売りも高いパフォーマンスになると思います。

一方で金利が急低下するのであればGOLD・SILVER(銀)といった貴金属への投資が妙味を増すのは間違いないと思いますが、資産の一斉投げ売りが発生した場合、実際にリーマン・ショック時には何もかも投げ売りされた実例からGOLD・SILVER(銀)も無関係とはいかないと思います。

※実際に貴金属はリーマン・ショック時には、20%~30%も下落した。

ですがその後の中央銀行の利下げによって市場の沈静化が図られるとGOLD・SILVER(銀)は、地面に叩きつけたスーパーボールのように強烈に反発し凄まじい上昇を記録すると思います。

スタグフレーション

実際に1970年代のスタグフレーション時代では、GOLDは10倍、SILVER(銀)は25倍の爆騰を演じています。
ですので10月後半から11月に開催されるFOMC前後は、スタグフレーション下の貴金属の長期的な上昇を信じる投資家にとっては、まさに千秋楽となる期間だと思います。

一方で株式投資家は、これまでの成功体験からまったくの無警戒で、リスクを取りすぎていると考えられます。

そのためリスクオフとなると一掃されてしまう可能性が極めて高いと思います。

ですのでできるだけ早くポジションを解消してキャッシュポジションを潤沢にしておいて、暴落で底値買いするほうが長い目で見た場合、期待できる利益は大きいはずです。

このように株価指数を買いだけでなく売りからも入ったり、金・銀・WTI原油などの商品の売買を一つの口座で運用できるのがCFD取引です。

国内シェアNo.1のGMOクリック証券なら、株価指数・商品以外にも米国株・ETFも売買できるため非常に幅広い戦略が採用でき収益機会が広がります。

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