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マーケット状況と今後の見通し【2023年5月】

S&P500日足20230429

こんにちは、cohamizuです。

5月は、S&P500は買いとします。

4/27、ようやくS&P500が、先物の大量のショートポジションのストップロスを巻き込んで上昇しました。

さらに、この急騰を信じることができない売り方をあざ笑うかのように、S&P500は12/13の高値を先物価格ではブレイクしています。

S&P500日足20230427
S&P500日足20230427

前回の投稿でも、前代未聞といって良いほどの空売りポジションが溜まっていることを指摘してきましたが、これだけのショートポジションが損切り(買い戻し)すれば株価指数は急激に押し上がります。

このときに上昇している銘柄を見るとやはり、時価総額の大きいApple・Microsoft・Amazonといったメガテックの騰落率が高くなっています。

つまり指数を買うよりも、こういった上昇時にはメガテックを中心に個別銘柄を買ったほうがリターンは間違いなく大きくなるはずです。
ただ個人的には、その前の突っ込みでMicrosoftを手放しており、目論見は正解だったのにトレードとしては機会損失が大きな展開になっています。

そのためこの反省を活かして5月相場をより良いものにしていきたいと考えています。

長短金利差は下向きに変化

テクニカル上では株式投資は買いから入るべきだと思いますが、投資では金利を見るべきです。

なぜなら基本的に債券市場の上に株式・不動産・商品市場が乗っかっており、金利が不安定になると資金調達の面で齟齬が生じ、資産を投げ売りしたりする局面が発生するからです。

そのため金利を入念に見ておく必要があります。

金融不安の原因は急ピッチの利上げ

良い例が、直近で預金流出が激しくなったファーストリパブリック銀行です。

SVB・クレディ・スイスの破綻を目の当たりにした預金者は安全でかつ高利回りの預け先を選んだ結果、MMFに資金が流入して、銀行の預金が急激に減っています。

そのためファースト・パブリック銀行は、保有している資産をすべて投げ売りして手元資金を用意しなければならない羽目になっています。

SVB破綻以降も他の銀行の預金は流出しており、ファーストリパブリック銀行だけの特有の問題でもなくキリなくこの問題は続出してくると思います。

引用:FRED ECONOMIC DETA

しかも保有している資産を投げ売りしても手元資金は不足しています。

何故かというと急ピッチの金利上昇で債券価格が下落したため資産を投げ売りしても評価損であるべき資金が足りず、ファースト・パブリック銀行はFEDが用意した短期借り入れでほぼ賄っている状態です。

こうなった原因は、FED(連邦準備制度)が2022年から急ピッチで行った利上げです。

もともと2021年の5月ごろから発生していたインフレを一時的なものだと断定せず、順次利上げをおこなっていけば、インフレは酷いものにならず景気は長持ちしたはずです。

それが急激な金利の上昇が、債券市場の上に乗っている株式・不動産・商品などの様々な資産価格に悪影響を及ぼし、ときに投げ売りしなければならないような問題を生じさせています。

このような問題を続出させる事態になっていることは、当事者である金融当局は段々と認識しつつあり、先日発表されたCPIも前年同月比+5%とFFレートとほぼ同レベルになる段階では、ほぼ利上げの必要はないという意見が台頭することは容易に考えられます。

したがって次回のFOMCで利上げ停止が示唆されれば、金利に敏感な貴金属をはじめ株価指数などのリスク資産は当然上昇が期待できます。

したがって今後、貴金属へのエクスポージャーは減らすべきではなく、むしろ増やすべきでしょう。

長短金利差は迅速な対応で上昇せず

リーマンショックの時は、金融当局の対応は鈍くこういった事案が発生しても大変な事態にに発展するまで何も手を打たなかったわけですが、現在はそのときの反省が生かされており、非常に対応が早く金融危機に発展する前に鎮火させる対応が目立ちます。

こういった事案が発生すると、金融危機で政策金利が維持できなくなるという観測で、政策金利の見通しを示す米2年国債利回りが急速に低下し長短金利差が上昇します。

しかし上昇し続けることはなく、金融当局の素早い対応ですぐに元に戻っています。

長短金利差20230428

そのため景気後退が刻一刻と迫っている中で長期金利から低下しているものの、インフレを抑制するための政策金利はまだ維持できる見通しから米2年国債利回りの低下は大きくありません。

よって現状では、長短金利差が逆イールドを保ったまま、下向きになる展開であれば「リスクオン」、逆に上向きになって0ラインの突破を目指す展開なら「リスクオフ」だといえます。

この長短金利差には、逆イールドになってから注意が必要でこれが3月のときのように急上昇し、0ラインを超えて上昇する過程で株価の大幅な下落が発生しています。

長短金利差

何故そうなるのかというと、景気後退が顕著になって政策金利が維持できないという見込みからFFレートの見通しを示す米2年国債利回りが急低下するからです。

3Dイールドカーブは金利低下一服(短期物)

というわけで、各償還年数の米国債利回りを繋いだイールドカーブを3D化して傾きを見ると、3月に発生したSVB・クレディ・スイスの破綻時のような崖のように急低下した金利は小康状態となっています。

3Dイールドカーブ20230430

またファースト・リパブリック銀行の問題についても、前回同様の金融当局による迅速な対応によって、FDICの差し押さえと他行による買収が現地日曜までに完結する見込みであるため危機は発生しない見込みです。

こういった異常事態が発生しても何も改善せず手遅れになるまで行動しない日本と違って、アメリカの場合は、政府・FEDなどの金融当局・米企業も状況を改善しようと努力するため、鎮静可能なレベルの事案であれば、むしろ株価が上昇する原動力になります。

META

実際に2022年に最も下落したメタプラットフォームに関しても、どう考えてもビジネスとして行き詰まっているにもかかわらず、思い切ったリストラによってその株価は急ピッチで回復しています。

ここらあたりは、ファーストイーグルファンドなどのバリュー株ファンドが先行してメタプラットフォームを買っており、百戦錬磨のファンドマネージャーの選球眼は流石だといえます。

今後もバリュー株の銘柄はまず、ファーストイーグルファンドで組入構成比が増えている銘柄は必ずチェックしておくべきでしょう。

ポジションはショートカバーを期待したメガテック。日本株は?

というわけで、テクニカルでも冒頭で説明したように株価指数はブレイクアウト、長短金利差も下向きで「リスクオン」になった状態です。

まず買うべき株はメガテック

この中で投資家が採るべき策は、空売りの買い戻しで最も資金が流入しやすいメガテック(Apple・Microsoft・Amazon・Alphabet)といったところになると思います。

Microsoft週足
Microsoft週足20230427

現実、Microsoftは昨年の8月の高値をブレイクアウトしており絶好調です。

また時価総額1位で米国株を牽引するAppleに関しても、長期下落トレンドを脱しているためここは先行して株式を買うべきだと考えています。

Apple週足
Apple週足

というのも、この週末でも買われているのはメガテックであり、他の銘柄はそれほどの上昇率ではなかったからです。

不確実性がましている今だからこそ、プラットフォームをすでに構築してキャッシュフローが太い企業を選ぶべきだと思います。

そのため、検索エンジンのBingにAIをすでに搭載することに成功したMicrosoftは必ず買っておきたいと思います。

この局面で選択したい日本株

では、日本株はどうかというと米10年国債利回りなどの長期金利は低下しておりどう考えても景気が強い状況ではありません。

そのためこのブログで着目していた、日本製鉄に関しては景気敏感株ですので新規にポジションをとることは見送っています。

その代わり、こういった空売りが買い戻される相場で着目したいのが勢いに乗っているかどうかです。

そのため長期下落トレンドを脱して直近高値をブレイクした銘柄を選好しておこうと思います。

まず対象は、6367:ダイキン工業です。

ダイキン工業

すでに直近高値をブレイクアウトしています。

イキン工業は、空調事業で競合する三菱電機と比較すると売上高は約3倍、営業利益は約5倍と圧倒的な差が開いています。

といっても家を購入してダイキンのエアコンを選択した読者の方なら、なぜダイキン工業が成功しているのかわかるはずであり、株式投資は本来そういったものであるはずです。

またダイキン工業は、人材を大事にしない他の日本企業と異なって、先端技術人材を自前育成する圧倒的な教育体制も強みとなっている企業です。

この教育大勢とは、社内大学「ダイキン情報技術大学 (DICT)」を開校し、毎年約100人の新入社員をDX人材として育成しているほどの熱の入れようです。

この点に関しては、平均年収に関しても730万円と高水準の厚遇になっているため育てた人材が流出してしまう懸念もないと思います。

この会社の業績予想は、売上高3兆9100億円(前期比25.8%増)、営業利益3720億円(同17.6%増)と、過去最高を更新する見通しで22年度内で3回目の上方修正となります。

ただしPERは30.7倍と割安とは言い難いのですが、長期投資ではなく勢いを重視した数ヶ月の投資であれば特に問題はないと思います。

また4492伊藤忠商事、4343イオンファンタジーに関しても再度の買い戻しを計画しています。

商品相場は原油ロング

商品相場に関しては、4月は3月に一貫して上昇し続けたシルバートラスト(SLV)を利益確定しています。

まだ売却していなくても貴金属のポジションは特に売却する必要はないと思います。

なぜなら金利も急速上昇する可能性はもうなく、極度の景気後退懸念も薄らいで期待インフレも急落する場面でもないからです。

しかし新規でこれから商品市場でポジションを取りたいということであれば、4月はここまで金融危機に非常に弱く下落し続けた原油ロングを選好したいと思います。

原油日足20230430
原油日足20230430

週末に反発しており、もちろんロングで入ってリターンを上げています。

今度こそ200SMA(青線)を超えて100ドルをターゲットにした上昇相場に移行するでしょう。

確かに景気後退局面で、需要に関する根強い懸念はありますがOPEC+の減産とアメリカの政治的なイデオロギーによる新規採掘の消極化など供給面でどうにもならない状態は続いています。

さすがにアメリカが共和党政権になれば大増産が始まるため、供給がタイトになった状態は緩和されるとは思いますが、現状は環境保護という宗教にも似たイデオロギーで正常な判断ができなくなっている民主党政権です。

彼らは、インフレなのに反パイプライン、脱炭素思想で凝り固まっており、多様性といいつつ多様な考えを受け付けません。

原油の新規採掘のための融資もさせない法案を維持しており、新たなリグを開発していくのぞみは非常に薄いと考えています。

【結論】マーケット状況と今後の見通し【2023年5月】

というわけで、S&P500は12月13日に瞬間的につけた高値をブレイクアウトしています。

長短金利差も上向きなら投資は考えませんが、現状は金融当局の迅速な対応で「リスクオン」になった状態です。

こうなると、現状株価指数の暴落を見込んで投機筋がとった空前のボリュームのショートポジションは買い戻しを余儀なくされます。

S&P500投機筋ネットポジション

週末にショートカバーで株価指数が上昇しているさなかで、各銘柄の騰落率をチェックしましたがやはり時価総額の大きいメガテックの騰落率は株価指数よりも大きくなっていました。

そのため米国株ではMicrosoftを選好し、日本株では勢いのあるダイキン工業を選好したいと思います。

新たに、投資する銘柄を発掘する際は、広瀬氏の「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」が非常に役立つと思います。


S&P500は、2022年12月13日のCPIの発表時に瞬間的につけた高値を4ヶ月もの間、なかなかブレイクできませんでしたが、ここにきてこのポイントを抜けてきています。

ここまで5月の株式調整期間を心配していたのですが、それを恐れすぎてこういった好機を逃すのもどうかと考えています。

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